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気が向いた時に適当に。
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其の意味は、
花織籠鳥(新型GE)/アマヤ+ヒダカ
※表現がBL寄り。

書いたのは12月上旬。

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 フェンリルに就いてから、初めての帰宅で。
 家に入って直ぐに、母さんが居ない事は解った。
 幸いと言えば幸いだ…何があるか解らないから。
 その侭、一直線に寝室に足を向ける。
 中には部屋の主が居る筈だけども…。

「兄貴…」

 そっと部屋の扉を開ける。
 すると、ベッドの上で寝ている兄の姿が見えた。

「ん、あれ…マヤ!」

 無音の空間だから、多少なりでも音がしてしまったのだろうか。
 早々、俺に気付いた兄…ヒダカは、ベッドから上半身を起こし、とても嬉しそうな表情でこっちを向いた。

「お帰り」
「ただいま。起きてたんだ?」
「うん」

 ベッドから出て来ない理由は解っている。
 俺は兄貴の傍まで近寄って、ベッドに腰掛けた。

「…あれ、マヤ、前よりも綺麗な色に見えるね、瞳」

 前も綺麗だったけど、と言いながら、兄貴は俺の頬に手を添え、その侭顔を近付けて、まじまじと瞳を覗かれる。
 必然的に目が合う形になり、こういうのが苦手な俺は少し程、恥ずかしくはあった。

「…そう?」
「うん! なぁに、神機使いになるとそういう変化もあるの?」

 良いなー、なんて何度も口に出しながら、兄貴は相変わらず俺の瞳を見つめている。

「…兄貴」

 声を掛けるが、止める気配は無かった。

「俺もなれれば、マヤとお揃いになれるかな?」

 ぽつり、と不意に兄貴の口から漏れたその言葉を聞いて、はっとする。
 それとほぼ同時に、俺の頬に当てられていた手が、俺の右手首に嵌められている赤い腕輪に触れた。
 神機使いの証である、それに…。

「マヤ?」

 ふと、嬉しそうだった兄貴の表情が不安気に変わる。
 まずったな、と思ったけど、それはもう、遅くて。

「…ヒー兄は、あんな所に居ちゃいけないよ…」

 如何すれば良いか解らなくて、無意識に思った事を、その侭口にしていた。
 自分でも、良く解らない事を口走ってると、そう感じた。
 思考が上手く回らない。

「如何して?」
「……それは…」

 すれば、直ぐに疑問が返ってきて。
 上手く言葉に出来なくて、どもってしまう。
 相変わらず、俺はこういう時の言葉探しが下手だと、つくづく思う。
 暫く黙っていたけど、その沈黙を、兄貴が破った。

「いつ死ぬか解らない、とか…身体が弱いから…とか、そんなの、如何でも良いじゃない」

 辛そうな声色だった。

「俺はマヤとずっと一緒に居たいんだよ? マヤは…違うの…?」

 再度、頬に手を添えられ顔を近寄せられる。
 互いに互いの吐息が顔に掛かる程、近くに。

「そんな事無いよ…違わない…けど」
「…うん、マヤ…」

 多分、解っていた上で訊いてきたのだろう。
 その後に、更に顔を寄せられ、その侭、唇を重ねられた。



 兄からの口付けの意味は、大抵、「心配しないで」と、「心配掛けてごめん」の、どちらかだった…。
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